2013年7月27日土曜日

ご参考になれば

こんばんわ。岩本です。
前回「肝臓ガンについて-2」にて
私の治療法、「門脈・動脈同時塞栓療法」についてご紹介をいたしましたが、
詳しくは「Cancer」という
アメリカの学会誌に掲載されることが決まっておりますが
どうしても英語が苦手と言う方のために、
昨年10月にエーザイ株式会社発行の
医療機関向け雑誌「CLINICIAN(クリニシアン)」に
私の治療法が掲載されておりますので
良かったらこちらをご覧下さい。(もちろん日本語版です)
■肝細胞癌治療における門脈・動脈同時塞栓療法(Angiographic subsegmentectomy:AS)の成果について
 (エーザイ CLINICIAN 2009年9・10月号 No.582 Vol.56)(e-CLINICIAN参照)
 治療方法CT写真
CLINICIANの記事を覧いただくには、
以下のヘルパーアプリケーションのダウンロードが必要です。
お持ちでない方はダウンロードをお願い致します。
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学会の論文等は英語表記がほとんどになります。
そのため、毎週、岩本内科医院では
講師の先生に来て頂き、英会話教室が開かれており、
従業員やその家族の方も含め、みんな頑張っております。
私も10年前までは話すことすら出来なかった英会話も
今では論文発表が出来るまでになりました。
これからも日々頑張って参ります。

2013年7月13日土曜日

肝臓ガンについて2

こんばんは、岩本です。
前回は「肝臓ガンついて-1」にて
ガンの治療法をいくつかご紹介しましたが、
今日は私が30年以上、格闘して参りました
「肝動脈塞栓術(TACE)」についてご説明いたします。
■「肝動脈塞栓療法(TACE)」について
  肝臓がんの治療では血管をふさぐ施術としてTACEと呼ばれており、
  がんに通じる肝動脈をふさぎ、栄養不良にして
  ガン細胞を壊死(えし)させる仕組みです。
肝ガンは肝動脈で栄養されていますので
肝動脈に油の造影剤「リピオドール」と「抗癌剤」を流し、
血流を止めると肝ガンが消えるのではないかと思い
私なりに色々工夫しながら頑張って『TACE』を続けて来ました。

今では、今日「Cancer」に載った
『門脈・動脈同時塞栓療法(Angiographic Subsegmentectomy.AS)』
と言う治療法を行っております。
肝臓には門脈と肝動脈があり、
・肝動脈は主に肝臓に酸素を運ぶ血管
・門脈は腸で消化吸収された栄養物や
 腸内で出来た毒素を肝臓に運ぶ血管です。
この治療法で心臓から血液が送られる動脈だけでなく、
消化管から血液が流れる門脈も同時にふさぎ、
ガンとその周辺の肝組織を目に見えない小さな転移巣も含めて
肝の解剖学的に一気にやっつけてしまう治療法です。
外科の先生は亜区域レベルではそのような治療が当たり前ですが
亜亜区域レベルでの切除はほどんどまだ出来ません。
肝臓ガンは外科切除がうまく行われても
5年で80%以上が再発しますので
繰り返した治療が必要となります。

しかし私の「門脈・動脈同時塞栓療法」では
そのレベルで血管に沿った系統的な治療が出来ますので
肝臓に対するダメージはごくわずかですので
副作用や治療死はほとんどなく
現在では理想的な治療法だと考えております。
私なりに世界で最も良い治療法でないかと思い、
毎日いろいろな患者様と向き合い、
一人一人にとってより良い方法を考え、
共にガンと戦いながら頑張っております。