2013年10月20日日曜日
Angio-CTによる肝癌の診断 3)
アンギオCT-1)、2)でお話してきましたように
アンジオCTは、肝癌診断、治療にとても重要ですが
欠点もあります。
まず血管造影という侵襲的な検査が必要ですので
手技に慣れた医者が必要ですし、
装置が大きくきわめて高価で、
大学病院など研究的な施設しか設置が難しいのが現状です。
そのうえ、保険適用がありません。
でもアンギオCTがあれば、肝癌患者さんには
高いレベルで診断治療をしてあげられます。
それで、ガンちゃん先生の医院では
東芝のコンパクト16列CTアクティヴィオンに
フィリップスの外科用イメージを組み合わせアンギオCTとして
利用しています。
手術中
普段は、通常の多列CTとして使用し
血管造影時に、アンジオCTとして使用しています。
このようにすれば、CTをフルに使用することができ
2重にCTを買う必要がありません。
北九州地区では、1台しかないアンジオCTです。
なかなか優れたシステムですので、是非お試しください。
2013年8月7日水曜日
大腸ガンについて
一昨日もガンをみつけました。
この患者さんは下血で来られ、大腸カメラと大腸トーシで
確認しましたところ、少し進行した「大腸がん」でした。
他の臓器に転移はなく、切除すれば70~80%の確率で
治りますので、その日のうちに外科を紹介致しました。
本日は「大腸ガンについて」、お話をします。
近年、大腸ガンも増えており、肝ガンと第3位を争っています。
今は、オリンピック中ですので銅メダル候補です。
早期に大腸ガンをみつけますと内視鏡治療で治ります。
早期にみつけるためには、
年に一度は便潜血検査をしましょう!
ちなみに便潜血検査が陽性ならば、大腸検査を受けましょう!
大腸検査には、大腸カメラによる検査と大腸トーシがあります。
ガンちゃん先生の医院では、
併用して検査をすることにしています。
何せ、大腸の中には@んこでいっぱいですので、前処置が重要です。
ここで、大腸ガンについての事例をいくつか、ご紹介致します。
さて、患者であるAさんは十二指腸潰瘍、膵腫瘍で私のところに
通っていましたが、昨年の便潜血検査がプラス(陽性)でした。
直ちに大腸検査をしますと、
デノボの早期大腸ガンがありましたので(下記図参照)
図1 図2
さっそく、内視鏡治療をしてもらいました。
まず、治癒するものと思います。
大腸ガンは、「ポリープが大きくなってガン化」するものと
はじめからガンとして発症する「デノボのガン」と2つあります。
いづれも、早期ならば内視鏡治療で治ります。
比較的大きくなっても、外科切除で治る可能性が高いのですが、
不幸にも「肝転移」を起こしたとしても、あきらめてはいけません!
別の患者であるBさんは、15年前、進行した大腸ガンと
肝臓のS6に5~6cm大の転移がありました。
幸いにも肝転移は1個でしたので(下記図参照)
図3 図4
外科で両方共に切除してもらいました。
現在15年間、再発せず、ガンは治癒したものと思います。
進行した肝転移があっても、大腸ガンが切除してあれば、
私の治療と抗がん剤の併用で治療出来ます。
Cさんは、3年前ステージ2の大腸ガンをみつけて切除してもらいましたが、
ガンちやん先生の言葉にそむいて、術後検診を怠り,
下図のように肝転移がひろがり昨年9月に、のこのことやって来ました。
図5
昨年の9月にCEA(腫瘍マーカー)が6190でしたが、
今は186まで下がってお元気です。
いくつか事例をご紹介致しましたが、
他の臓器に転移した場合でもあきらめてはいけません!
ガンとの闘いは、Never give upです!
2013年7月27日土曜日
ご参考になれば
前回「肝臓ガンについて-2」にて
私の治療法、「門脈・動脈同時塞栓療法」についてご紹介をいたしましたが、
詳しくは「Cancer」という
アメリカの学会誌に掲載されることが決まっておりますが
どうしても英語が苦手と言う方のために、
昨年10月にエーザイ株式会社発行の
医療機関向け雑誌「CLINICIAN(クリニシアン)」に
私の治療法が掲載されておりますので
良かったらこちらをご覧下さい。(もちろん日本語版です)
■肝細胞癌治療における門脈・動脈同時塞栓療法(Angiographic subsegmentectomy:AS)の成果について
(エーザイ CLINICIAN 2009年9・10月号 No.582 Vol.56)(e-CLINICIAN参照)
治療方法CT写真
CLINICIANの記事を覧いただくには、
以下のヘルパーアプリケーションのダウンロードが必要です。
お持ちでない方はダウンロードをお願い致します。
Adobe@Reader@
get_adobe_reader.gif
学会の論文等は英語表記がほとんどになります。
そのため、毎週、岩本内科医院では
講師の先生に来て頂き、英会話教室が開かれており、
従業員やその家族の方も含め、みんな頑張っております。
私も10年前までは話すことすら出来なかった英会話も
今では論文発表が出来るまでになりました。
これからも日々頑張って参ります。
2013年7月13日土曜日
肝臓ガンについて2
前回は「肝臓ガンついて-1」にて
ガンの治療法をいくつかご紹介しましたが、
今日は私が30年以上、格闘して参りました
「肝動脈塞栓術(TACE)」についてご説明いたします。
■「肝動脈塞栓療法(TACE)」について
肝臓がんの治療では血管をふさぐ施術としてTACEと呼ばれており、
がんに通じる肝動脈をふさぎ、栄養不良にして
ガン細胞を壊死(えし)させる仕組みです。
肝ガンは肝動脈で栄養されていますので
肝動脈に油の造影剤「リピオドール」と「抗癌剤」を流し、
血流を止めると肝ガンが消えるのではないかと思い
私なりに色々工夫しながら頑張って『TACE』を続けて来ました。
今では、今日「Cancer」に載った
『門脈・動脈同時塞栓療法(Angiographic Subsegmentectomy.AS)』
と言う治療法を行っております。
肝臓には門脈と肝動脈があり、
・肝動脈は主に肝臓に酸素を運ぶ血管
・門脈は腸で消化吸収された栄養物や
腸内で出来た毒素を肝臓に運ぶ血管です。
この治療法で心臓から血液が送られる動脈だけでなく、
消化管から血液が流れる門脈も同時にふさぎ、
ガンとその周辺の肝組織を目に見えない小さな転移巣も含めて
肝の解剖学的に一気にやっつけてしまう治療法です。
外科の先生は亜区域レベルではそのような治療が当たり前ですが
亜亜区域レベルでの切除はほどんどまだ出来ません。
肝臓ガンは外科切除がうまく行われても
5年で80%以上が再発しますので
繰り返した治療が必要となります。
しかし私の「門脈・動脈同時塞栓療法」では
そのレベルで血管に沿った系統的な治療が出来ますので
肝臓に対するダメージはごくわずかですので
副作用や治療死はほとんどなく
現在では理想的な治療法だと考えております。
私なりに世界で最も良い治療法でないかと思い、
毎日いろいろな患者様と向き合い、
一人一人にとってより良い方法を考え、
共にガンと戦いながら頑張っております。
2013年6月30日日曜日
肝臓ガンについて
今日は私が30年以上格闘して来た、肝臓ガンについてお話をいたします。
肝臓ガンと申しましても 肝臓からでたもの、
他の臓器から転移して来たもの等がありますが、
私が一番専門としているのは肝細胞がガンになった
肝細胞ガン(HCC)です。
(以下、肝細胞がんをHCCとします。)
HCCでは、1年間に約3万2千人の日本人が死亡し、
全世界では1年間に50万人以上が死亡しており、
HCCの多くはC型、B型の肝炎ウィルスの感染により発生します。
治療としては、外科切除、ラジオ波治療(RFA)、私が30年以上
行って来た肝動脈塞栓術(TACE)や肝移植 等があります。
■外科切除では、
ガンを切除し取り除く治療ですので、
ガン治療の基本と言っていいのですが、
肝臓はなくては、人は生きれない臓器ですので、
その人の肝臓能力と、HCCの広がりによって、
手術できる人が限られています。
最近は外科切除が原因として死亡される患者さんは
少し少なくなりましたが、HCCはうまく切除できても
5年以内に約80%が再発します。
■ラジオ波治療では、
現在、日本だけでなく世界中でもてはやされている治療ですが、
どういう訳か、私の周りではラジオ波治療の後、
ガンが広がりリンパ節に転移をするケースや
エコー下で針をガンにさすのですが、そのさした胸腹壁に
再発したり、どうも経過が良くありません。
動脈と言う血管の固まりであるHCCに針をさすのは、
注意が必要と思っています。
■肝移植については
移植となりますと高価でありますし、日本では生体肝移植が
主ですのでいろんな意味で問題があります。
当医院(医療法人岩本内科医院)では今まで3人の患者さんに
移植をしてもらいましたが、現在元気な人は1人だけになりました。
手術後の再発の問題や手術そのものが難しく、
まだまだ問題があると思っていますが、今後進めて行かないといけない
治療方法と思っています。
2013年6月15日土曜日
早期肝ガンについて
今日は早期肝ガンについてお話をいたします。
昨年は肝ガン診断で大きな進歩がありました。
早期肝ガンについて、国際的コンセンサスが出来ました。
日本の久留米大学の神代先生や帝京大学の近藤福雄先生達の
努力のおかげです。
コンセンサスは、早期肝ガンは境界不明瞭で、
間質浸潤があり(門脈域の内にガンの浸潤があるもの)
まだ血管新生がない結節を早期肝ガンと言いましょう
と言うものです。
ガンちゃん先生は、このコンセンサスは待ちに待っていたものです。
今、日本を始め、世界中で肝硬変の結節は多段階に肝ガンになると
信じられています。これを多段階発癌説と言われております。
それに基づいて、細い針生検で適当に診断し、
PEIT(経皮的アルコール注入療法)やRFA(ラジオ波治療)が
行われています。
ところが今度決まったコンセンサスでは
早期肝癌は、間質浸潤があるもの(門脈域の内にガンの浸潤があるもの)
と決まりましたので、
細い針生検では、早期肝ガンは診断は出来ません。
なぜなら、細い針生検では門脈域は、ほとんど取れないからです。
要するに、世界中で適当に良性結節をガンと診断して
RFAなどが行われているのです。
RFAが、きちんとした肝ガンの治療であれば、
ガンちゃん先生は文句は言いませんが、私のところでは
RFAをしてもらった患者さん達はすべて再発し、
それが原因で・・・という患者さん達もかなり居ります。
きちんと早期肝ガンを診断したり、これをどのように扱うかは
今後、日本の医療界全体や世界的にきちんと決めていかなければ
いけない問題だと思っております。
2013年6月1日土曜日
神戸にて
今、神戸へ来ております。
第16回「肝血流動態イメージ研究会」で
「門脈・動脈同時塞栓療法」を発表してきました。
ちょっと疲れて、
今日泊まるホテルの11階から神戸の夕日を見ながら
これを書いております。
夕日
昨日、「早期肝ガンについて」のお話致しましたが、
このシンポジュウムでは
肝細胞癌の多段階発癌を取り上げており、
日常の肝癌診療において、
慢性肝炎・肝硬変、前癌病変、早期肝癌、進行肝癌の
個別化診断がどこまで可能になってきたのか、
多方面からの最前線の話を伺い、活発に討論される研究会になります。
今回、私の行っております治療法での
早期肝ガンについて、日々の診療経緯などを紹介してきます。
24.門脈動脈同時塞栓療法(Angiographic subsegmentectomy:AS)の
すばらしい成果について (プログラム:47ページ参照)発表してきます。
学会発表は、ほぼ大学病院の先生方ばかりです。
私のような地方の開業医が、
発表することはめずらしいことなのですが、
出来る限り、公の場所で発表するようにしております。
臨床医として、日々の診療や手術をしながら
学会発表や執筆活動をすることは大変なことですが、
今まで患者さん達を最初から最後まで診てきた私が、
こういう場に出て発表することは
すごく大事なことだと思っております。
大学病院などの後ろ盾もなく、
今の日本の医療界の大きな壁を壊すことは難しいですが、
他の先生達に負けないよう、頑張って討論してきます。
2013年5月4日土曜日
はじめまして、ニコラスです。
大阪の中規模病院で外科医として働いてマス。
医者になって20年、もう中堅以上の立場にはなってるけど
気分は、まだまだ、仕事を始めた頃のままなんで
現場で走り回ってるのが好きだなあ
医者は全部で150名近くいるけど、
外科の症例がそれほど多くないので、
昔、救命センターで働いていたこともあり、
救急外来を担当することが多い。
救急には、病気やケガもいろいろ来るけど
患者自体、いろんなキャラの人が多いんで
ヒューマンウォッチャーとしても、興味が尽きないし飽きないんだよな。
さあ、今日も、昨日MKの手術をした患者の状態を見に行って
その後は、救急外来で救急車を待ってよっと。
2012年6月9日土曜日
不養生にもほどがある
そのころボクは
トテカンチョ病院に月に数回、
外科の昼間だけの外来のバイトに行っていた。
そこには、大学の後輩で
脳外科をやっている岩本先生が、
大学病院の脳外科の医局から出向していた。
彼は医者になって6、7年ほどだった。
トテカンチョ病院の脳外科には、
40代後半の大歳先生が部長でいたが、
脳外科の医者は、その部長と2人だけだったので、
結構忙しくしていた。
しかし、そろそろ、油の乗りかかっている時期でもあり、
手術や検査を一人でできるようになってきて、
仕事が面白くて仕方がないって感じだった。
小さい町の中核病院だったので、
脳外科の患者も多く、
朝から外来をして、昼から手術をして、
合間に検査を入れて、夜は救急の緊急手術に入って、
昼も夜もない生活を続けていた。
ある日、ボクが外来の仕事を終えて、
医局でのんびりとコーヒーを飲んでいると、
岩本先生が疲れた顔で入ってきた。
「お、岩本、疲れてるな、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないですよ、ニコラス先輩。
昨日から38℃の高熱が続いてて、
体中、節々が痛いんですよ」
「そんなに熱が高いんやったら、休んだほうがええやろ」
「でも、今日も検査もあるし、
病棟に重症の患者がいるんで、
休める状況じゃないんですよ」
「インフルエンザか?」
「いや、調べてませんけどね。
でも陽性が出ても仕事はしないといけませんからね」
いまでこそ、医者も
熱が出れば、インフルエンザの検査をして、
陽性が出れば、
タミフルやらリレンザやらの抗インフルエンザ薬をしっかり飲んで、
熱が下がるまで自宅安静にするといった対応をしているが、
そのころは、まだ、
高熱が出ても、インフルエンザの検査をしたり、
クスリを飲んだりする時代ではなかった。
ただ、ひたすら根性と気合だけで治していたものだ。
「そうやなあ、医者が2人しかいないと、
休んでなんかいられないよな」
2012年6月2日土曜日
救急には薬物中毒はつきものだ
普通の生活をしていると、なかなか関わることがないだろうが、
病院の外来の中でも、
特に救急で外来をやっていると、
世の中には心の病を抱えているヒトが、
よく、まあ、こんなにいるもんだ、と、実感する。
その中でも薬物中毒、
これも救急では頻回に見る症例だ。
うちの病院は精神科はないので、
あまり救急で薬物中毒患者を受け入れることはないが、
それでも、週に2、3人は運ばれてくる。
病院から出されている薬を、
とくに精神科なんかで出されている抗不安薬や眠剤などを
一気に何十錠も飲んで、
意識朦朧(いしきもうろう)状態で運ばれてくる。
そんなことをしてしまうきっかけは
ヒトそれぞれだ。
些細なケンカから衝動的に相手を心配させてやろうと飲むヒト
気分がさえなくて自暴自棄になって飲むヒト
つらいことがあって、本気で死のうと思って飲むヒト
精神科の病気で、判断能力が低下して飲むヒト
ただ、今の日本で出されている眠剤や精神安定剤は
大量に飲んでも、
薬の直接的な作用で死ねるものはない、といっていい。
本気で自殺を完遂するつもりなら、
簡単に確実にできる方法はいくらでもあるのだから、
大量に薬を飲んじゃうヒトは、
本気ではないんだろうなと思うが、
他人のボクには本音のところはわからない。
でも、どちらにしても、
死にたいと思う心の叫びはあるんだから、
それに対しては
真剣に向き合ってあげなければならない、と思う。
思うんだが、なかなかできない。
救急外来で、出会って、その場の処置はするものの、
その人の人生の問題や悩みを長期間にわたって、
診ていくなんて、それは外科医の仕事ではないから、
やっぱり精神科医に任せるしかない。
死にたい思うこと、これを希死念慮(きしねんりょ)といい、
自殺を図ることを自殺企図(じさつきと)という。
手首を浅く切って(リストカット)、運ばれてくる患者は
何度も同じことをくり返すことが多いが、
薬物中毒で入院した患者は、
そんなに頻回に同じことをくり返さないようだ。
自殺企図で大きな事件を起こすほど、
死にたい思う気持ち(希死念慮)のエネルギーを使いきって、
一時的にでも、気持ちが落ち着くことがある、と、
知り合いの精神科の医者が言っていた。
2012年4月28日土曜日
出血に対する遺伝子の思い
酒を飲んでグデングデンになっているときでも、
ご馳走を食べているときでも、
いつも働きつづけている。
これも飢餓や感染のときと同じ、遺伝子の話になるが、
これまでの動物の歴史の中では、
遺伝子は体が傷ついたときに、
ピタッと出血を止めることにヤッキになってきた。
ケガに弱い、
つまり出血が止まりにくい遺伝子は淘汰されていって、
ケガに強い、
つまり、出血をすぐに止める機能の高い遺伝子が
生き残ってきたのだろう。
ところが、である。
医療の進歩が、その凝固線溶系に異変をもたらしたのだ。
近年の医学の進歩はめざましい。
特にここ最近40年ほどは激烈なスピードで進んでいる。
その長足の進歩のおかげで、
今や、以前には到底助かるはずもなかった傷病(病気やケガ)も
どんどん助かる時代になってきている。
特に集中治療室なんてところは、
ニンゲンの衰えた臓器の機能を
最新の高性能な機器でサポートする
医療の最先端技術が結集した場所である。
ところが、これまで助からなかった傷病治療していると、
今度はこれまでならニンゲンに起こるはずのない
新たな病態が出てくるようになった。
そのひとつが、DIC(でぃーあいしー)という病態である。
DICとは
播種性血管内凝固(はしゅせいけっかんないぎょうこ)症候群というもので、
血管の中で血液が固まってしまうという異常事態が
全身に広がる(播種する)病気である。
ボクが書く、こんなおちゃらけ医療ブログで、
医者すら十分に理解できないような
複雑な病態であるDICについて一般のヒトたちに語るのは、
無謀で暴挙かもしれないが、
なるべくわかりやすく話をするつもりなので、
我慢して読んでほしい。
大きなケガや悪性腫瘍の末期だけでなく、
各臓器の不全(心不全、肝不全、腎不全、呼吸不全)が起こると、
全身の血管の内側の膜(血管内皮)が傷む。
そしてその傷んだ部分を修復しようとして、
血管内で凝固系が活発に動き出す(亢進:こうしん)。
ところが集中治療のなかったころは、
そういった重症に陥ると、
そのまま、その病気で命を落としていたので、
凝固系が亢進しても、それ以上の病態に進むことを
確認することもできなかった。
2012年4月22日日曜日
脳梗塞にtPA療法
しびれや麻痺やしゃべりにくなどの症状が急に出たら、
脳卒中(脳梗塞や脳出血)を考えるが、
もし脳梗塞なら、発症から3時間以内に
血栓(血液の塊り)を溶かす治療をすると
症状がすっきりなくなる可能性が高くなった
こういうことを書くと、
みんな、何か症状が出ると、
脳梗塞だ、すぐ治療してくれ、と
救急に飛び込んできたりする
テレビで、病気の特集をすると
自分もその病気じゃないか、と心配して
次の日には、同じような症状の患者が大勢来る
何で、今日は同じ症状の患者ばかりが救急で来るんかなあ
昨日、何かテレビでやっていた?
ハイ、やってましたよ、
やっぱりね、そういうテレビって
現場の医者には、エライ迷惑だよな、
という事態となる
だから、今回書いている脳梗塞の話も、
特別な条件下で行う特殊な治療であることを
理解しておいてもらいたい
しびれや麻痺、力が入らない、しゃべりにくい、などの症状が
以前からあるとか、
徐々にひどくなってきたというのはダメ
ある瞬間に突然始まったことが重要なのだ
2011年12月18日日曜日
病気によって治療を開始するまでの緊急度は違う
その緊急度は様々だ
緊急度はその疾患を担当する医者の
時間感覚が物語っている
循環器の医者に、
救急に心筋梗塞が来ました、と言えば
わかりました、すぐ、行きます、と
全速力で救急に降りてくる
脳外科に
脳出血が来ましたといったら、すぐ行きますといっても
10分ほどかかることもあるのに
SAH(くも膜下出血、エスエーエイチあるいはザーと言う)なら
数分以内に来る
病気の状況にもよるが、
医者のその病気に対する好き嫌いがよくわかる。
どこの脳外科医もザーが好きだ
耳鼻科にめまいといっても1時間かかることも。
精神科の患者が不穏状態で興奮しているといっても
すぐ行きます、と言ってからでも、
2時間以上かかることもある
オイオイ、精神科のすぐって2時間かよ、
以前は、神経内科に
脳梗塞です、と連絡して、ハイすぐ行きますと言っても、
それから、忘れたころにやってきていたものだが、
(以前は脳梗塞は効果的な緊急処置というものがなかったんだ)
今じゃ、脳血栓融解療法(tPA)をする患者だと、
全速力で降りてくる
治療方法の変貌によって、
治療開始までの時間が変わっていくので、
医者の時間感覚も変わっていく
われわれ消化器外科に
消化管穿孔の汎発性腹膜炎です、と連絡が入ったら、
30分以内には行くかな
2011年12月3日土曜日
救急の形は千差万別
小規模の病院なんかは、いくら「救急」を標榜していても、
ほとんどの病院が、たった一人の当直医が救急患者を診る体制。
しかもその医者は内科か外科か整形か耳鼻科かわからない。
そんな危うい状況で日本の救急は成り立っている。
一方、地域の中核病院、基幹病院などは救命センターや救急科を持っているところもある。
救急医療の形としては大きく2つに分けられる。
ひとつは、救命センターみたいに重症の患者(3次救急患者)だけを取って、救急医が自分たちで診察して集中治療して治して退院させる、といった自己完結型の形式をICU型救急。
もうひとつは、アメリカドラマの「ER」で見られるような、初療(初期治療)だけは救急医が診て、軽症ならそのまま帰すけど重症ならそれぞれの専門医に預けて入院させる、といった初療専従型のER型救急。
うちの病院は多くの科がある総合病院で、それぞれの科に専門医がいるので、
形としては「ER型救急」でやっている。
救急外来はボクたち救急専門医を中心に、毎日当番を決めて救急患者の診察に当たる。
ただ、担当医が専門の病気じゃなくても、毎日、全ての専門科が救急担当を当てているので、なにか専門外の患者が来たら応援を頼むことができる。
でも、こういった比較的しっかりした救急受け入れ体制を持っている病院は、
日本の救急病院全体から見たら、ほんの一握り、
その恩恵を受けられる患者も一握りということで、
救急フェチのボクとしては、
ちょっとでも質のいい治療を提供しようという思いだけは常に持ち続けている。
2011年11月16日水曜日
深夜の告白
深夜に、27歳の女性、氷室さん
突然体がガクガク震えだしたという症状で
救急搬送されてきた。
パニック発作とは、自分でも思いがけないときに、
突然、青天の霹靂のように
原因不明の不安発作に襲われること、と、定義されている。
その症状は様々で、動悸、息切れ、発汗などの軽微なものから、
吐いたり、手足の感覚がなくなったり、痛みがうずいたりする、
結構、きつい症状のものもある。
氷室さんは1ヶ月ほど前にこの症状が始まって
それからは数日ごとに深夜に発作を繰り返し、
ウチの病院へ救急で運ばれている。
血液検査やCT検査などをいろいろ行ったが、
体は悪いところはなく、それからは精神的なものだと片付けられていた。
今まで、そういった精神的な症状を起こすようなことはなかったので、
付き添ってきた母親も落ち込んでいた。
ボクが話しかけようとすると、
両手で耳を押さえて、目は半眼になって、
アゴをガタガタ震えさせるので、話も聞けない。
(これはどうしようもないな、)
鎮静剤を1錠飲ませて、落ち着くのを待った。
普通の当直医は、このまま落ち着いたら、その時点で帰すだろう。
夜中に、自分の貴重な睡眠時間を割いてまで、
パニックの患者から細かく、ゆっくり長く話を聞いて、
治療をしてあげようなんて医者はまずない。
いかに、自分の睡眠時間を確保するかが、
多くの当直医の命題だ。
しかし、ボクは仕事をし始めてからは、
睡眠時間の長さにあまりこだわらなくなった。
寝不足でも結構平気なタイプなので、
当直でも、深夜になっても、ついつい救急室で
看護婦さんとダラダラと話し込んだりして、
貴重な時間を過ごしてしまう。
だから、深夜に来る救急患者に、気楽にゆっくり時間を使って
診察をすることも嫌いではない。
2011年10月30日日曜日
増加する性感染症感染者、早期発見・早期治療が大切!
STD感染者数はここ4~5年で急増し、国内感染者数は600万人、
毎年60万人が感染していると推定されています
代表的な性感染症であるクラミジア感染症は、
20代前半女性の16人に1人、10代後半女性の21人に1人が
感染しているとの報告もあります
特にクラミジア感染症は自覚症状が出にくく、
知らない間に感染し、知らない間に他人へ感染させてしまいます
治療をしないで放置しておくと、不妊症の原因になる可能性や
出産時の母子感染の可能性もあります
HIV(エイズウイルス)感染も性感染症です
先進国でHIV感染者数が増えているのは日本だけです。
クラミジアなどの性感染症に感染していると、HIVに感染する危険度が
3~5倍高くなるといわれています
2011年10月15日土曜日
AKB48・河西智美、ブログで「骨盤腹膜炎」公表も回復アピール
人気アイドルグループ・AKB48の河西智美が、
5日付の自身のブログで骨盤腹膜炎と診断されていたことを発表した。
所属事務所によると、大事には至らない状態だといい、
河西も「今は、療養してかなり良くなってきてますので、
少しずつやれる範囲でお仕事をやらせて頂きながら
1日でも早く完治させたいと思っています!」と綴っている。
河西は先月末に行われた握手会を体調不良により途中退席するなどしていた。
■骨盤腹膜炎とはどんな病気か
骨盤内には前に膀胱、後ろに直腸、
その間に子宮・卵管があり、それらの表面は腹膜でおおわれています。
この骨盤腹膜に起こった炎症が、骨盤腹膜炎です。
■原因は何か
骨盤腹膜炎の多くは、
前述の子宮頸管炎(けいかんえん)から子宮内膜炎(ないまくえん)、子宮付属器炎、
そして骨盤腹膜炎へと感染が上行性に進むことにより発症します。
したがって、これら子宮頸管炎、子宮内膜炎および子宮付属器炎の原因が、
骨盤腹膜炎の原因になりえます。
最近では、性行為感染症であるクラミジアと淋菌感染によるものが増えています。
また、子宮内避妊器具(IUD)を交換せずに長期間装着していると、
発症することがあります。
そのほか、開腹手術後の感染から起こることもあります。
2011年4月27日水曜日
十代の女の子が、自分の性器の形に悩むことも多いと
性病の患部や小陰唇肥大の症例を見れば、自分が現状を正確に把握でき、適切な対応ができると思います。猥褻な画像や動画が氾濫し、容易に入手できるにもかかわらず、真面目な画像が必要な人の手にわたらない。その現状を打破すべく、このブログでは、画像を掲載していきたいと思います。ただ、不快に感じる人もいると思うので、直接画像を掲載せず、画像が豊富な日本以外の国(日本在住の人からみれば海外)の医学系サイトのアドレスを掲載するにとどめたいと思います。
2011年4月23日土曜日
男女の差を認めた医療
「漢方薬だけではうつ病やパニック障害といった女性の心の病気の治療には限界がある。今の働く女性の受けている心身のストレスは半端じゃない。漢方薬のできた何百年も前の女性とは比較にならないほどに。だから漢方薬だけでは限界があるのは当然である。」
私がこのように言うと、その女性は変に納得して何度もうなづいた。
女性の心身は男性に比べて非常にデリケートにできている。それでいて強い。このデリケートで強い性質を活かす治療が骨盤を核にした女性専用の審美医療である。私の30年の確信である。例えば、女性の更年期障害に対してホルモン補充療法がよくおこなれているが、ホルモンのような強い薬で外部から症状を押さえ込むのではなく内部からあたかも糸のホツレを一つ一つ解いていくような繊細な治療こそが女性専用の医療ではないのだろうか。私が独自に開発したNAM治療はそれを可能にした。例えば、頚椎4番にできた怒りのシコリは小鳥のさえずり、そよ風、雪解け水といった音でもみほぐす。
女性の質は水、男性は火である。水は育み、火は創る働きをもつ。男と女はまったく異質である。その差を認めた医療があって然るべきである。最近、欧米の医療界では性差を認めた医療が徐々にではあるが認知されてきている。たとえば、心臓病の原因として男性は冠動脈、女性では深部の微小血管といった具合に。
2011年4月17日日曜日
世界最薄コンドームは入社間もない女性社員が開発
世界最薄のコンドーム「infini-two」の厚さは0.02�。今まで0.02�のコンドームは発売されていたのですが、ポリウレタン製のコンドームでした。
今回の世界最薄のコンドーム「infini-two」は天然ゴム製コンドームとして世界最薄なのです。
ポリウレタン製と天然ゴム製はどのように違うのでしょうか。どちらが実際に最薄なのでしょうか。
開発者によると、実際は天然ゴム製のほうが柔らかく、伸びがいいという結果が出ているそうです。
つまり、コンドームを装着すると伸びて薄くなる天然ゴム製である「infini-two」の方が薄く感じるのではないでしょうか。
開発者の女性は、望まない妊娠をしてしまう女性や性感染症の増加を危惧し、同社への入社を決意したんだそうです。女性の『薄いモノより厚いモノのほうが安心』という心理と、男性の『なるべく薄いモノを使いたい』という欲求を取り入れつつ、製品開発を行ったのだそうです。
12個で2100円という価格は他社製品より若干高いですが、手に取れば納得すると思います。男性としてはできるだけ、生に近い状態でのセックスを望むことができ、また望んでいない妊娠や性行為感染症を防ぐことができるのではないでしょうか。