2010年6月18日金曜日

痛くない張るワクチン

肌に張るだけで接種できるパッチ(張り薬)型ワクチンの開発を、

京都薬科大の教授らが進めているそうです。

直径約1・5センチの円形シートに、ワクチンを含む多糖類でできた

円錐形の突起(直径0・3ミリ、高さ0・5ミリ)が200〜300本並び

肌に張ると数分後に体の水分で突起が溶けてワクチンがしみだし、

皮膚から吸収されるそうです。利点の一つは、注射のように痛くないこと。

もう一つは、皮膚の浅い部分にあってワクチンに反応し全身の免疫機能を

活性化させる役目を持つ細胞に、十分な量のワクチンが素早く届くことのようです。

注射だと血流でワクチンが拡散していくのに比べ、少ない量でも免疫効果が

期待できるということです。

インフルエンザ用に同様のパッチ型ワクチンを研究しているオランダ・ライデン大の

グループは「5分の1の量で、免疫効果が得られた」と報告しています。

実用化には、メーカーと提携したうえで薬事法に基づく治験が必要になってきます。

2010年6月15日火曜日

再診料 690円で統一

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、

外来診察の基本料金である再診料を4月から見直し、中小病院と開業医の診療所は

690円で統一することで決着したようです。

中小病院を600円(患者負担は原則3割)から大幅に引き上げ、診療所を710円から下げる。

休日など時間外対応をする診療所には料金を加算できる仕組みも導入するようです。

患者から「同じ医療サービスで病院と診療所の再診料に格差があるのはおかしい」との

批判があり、中医協は昨年から再診料を統一する方向で議論を進めていました。

全国に約8800ある病院のうち、病床が200床未満の中小病院約6100が再診料の

引き上げの対象になる見込みです。

2010年6月13日日曜日

処方箋わかりやすく

医療現場では略語などの区別が明確でなかったり、新人看護師や薬剤師に

徹底されていなかったりして、量を過剰に出したり、間違った薬を投与したりするなど

医療事故の原因の一つになっていることから病院や診療所ごとにルールが違う飲み薬の

処方箋の書き方が統一されるようです。

患者自身がチェックできるぐらいわかりやすくするルールを、

厚生労働省の専門家による検討会が定め、報告書にまとめたようです。

同省はこれから、順次、現場へ広めていく方針のようです。

処方箋は医師法などに基づき、医師が薬剤師らに対してつくる文書で

薬の名前、飲み方や量を書くよう定められているのですが、具体的な基準はなく

現場任せが実情です。

同じ薬でも商品名で書く医師もいれば、その成分名を書く医師もある。

書かれた量が1日分なのか、1回分なのかわかりにくい書き方も慣例化しています。

たとえば、現在の処方箋では、朝昼晩に飲む薬で「(薬の名前)×3」なら、

毎回3錠ずつ1日計9錠になる。だが、「(薬の名前)3×」だと、

毎回1錠ずつ1日計3錠の意味になります。

報告書では、原則1回に飲む分量を明記し、完全な商品名(製剤名)で書くことにした。

「1日3回に分けて」を意味する「分3」など略語や記号は避ける。

×3の略語は1回3錠、3×は1回1錠に改められる。

飲み方も「朝昼夕食後」「就寝前」など日本語でわかりやすく書く事になるようです。

また、小児用シロップ入り飲み薬などを調剤する場合、有効成分だけを

示した原薬量なのか、シロップなどを含む製剤の全量なのか明確な決まりはないが、

今後は原薬量か全量かきちんと明記する事となるようです。

2010年6月9日水曜日

カルテ開示の手数料

患者や家族からカルテなど診療記録の開示を求められた際、

病院側が徴収する手数料には、施設によって大きな差があることがわかり

患者が利用しやすい範囲に抑えるべきとの指摘が出ているようです。

調査は、読売新聞が2009年11〜12月、全国の大学病院と

地域医療支援病院352施設に文書でアンケートした結果です。

186施設(回答率53%)から回答があったそうです。

診療記録には、カルテのほか手術記録や処方せんなどがあり、

受けた処置や薬など診療の中身がわかり、2005年4月の個人情報保護法施行で、

開示は法的義務になりました。ただし、費用は病院任せ。

今回の調査では、3割の施設が手数料を徴収しており、

無料から1万円まで差があったそうです。

2010年6月6日日曜日

診療報酬改定案

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は12日、

2010年度診療報酬改定案をまとめ、長妻昭厚労相に答申しました。

入院医療に4400億円を上積みし、勤務医の待遇改善や、

病院再診料の引き上げによる診療所(開業医)との一本化など、病院重視を打ち出しました。

4月から実施する予定です。

今回は「医療再生」を掲げた民主党政権下で初の改定・・・。

改定率は0・19%増で10年ぶりのプラス。これで確保した財源約5700億円の

8割近くを救急や産科、小児科、外科など急性期の入院医療に手厚く配分。

過重労働の病院勤務医に配慮し、医師の事務を補助する「医療クラーク」の

報酬加算を引き上げ。労働環境の整備を要件とした加算も拡大したようです。

2回目以降の外来受診にかかる再診料は690円と、26年ぶりに一本化。

診療所は710円から20円減、中小病院(病床数200未満)は600円から90円増。

歯科の初診料は360円上がり2180円、再診料は20円上がり420円に。

24時間態勢で患者の電話相談に対応する診療所への加算を新設。

厚労省は約10万ある診療所の約3割が対象とみています。

2010年6月3日木曜日

しもやけ・・・皮膚トラブル

1〜2月にかけて、一気に増加する皮膚トラブルの一つがしもやけです。

しもやけは寒冷・加温刺激の繰り返しによって局所の循環障害が誘発され、

皮膚が赤くなったり、腫れたり、あるいは紅斑ができる疾患。

一般的なしもやけは、指先が赤紫色で樽柿のように腫れるT型と呼ばれるようです。

一方、紅斑を主とする紅斑型(M型)と呼ばれるしもやけは、腫れずに赤みが強くなるだけ

なので、しもやけとは気づかず放置し、重症化してしまうケースがあるそうです。

また、前日との温度差が激しければ激しいほど、血管の収縮回数が増え、血行が悪くなり、

しもやけが起こりやすくなるという事です。

先生によると、手や足、末端の血流を良くしておくことが大切とのこと。

クリームを塗る場合は、血行改善効果のあるビタミンE入りのものに効果が期待でき

また、昼間にこまめにクリームを塗ることが難しい場合は、夜の就寝前に集中的にケア。

肌を濡れた状態で放置しておくと、皮膚の温度が低下してしもやけが起こりやすくなり

運動や暖かい室内で汗をかいた場合はこまめに汗をふきとることが望ましく

温度調整しやすい服装を心がけ、帰宅後は指先や足先をマッサージするなど、

徐々に体を温めてからお風呂に入ったり、ストーブにあたったりするとよいそうです。

2010年6月2日水曜日

病院の未収金・・・推計284億円

四病院団体協議会(四病協)が実施した医療費の未払い金(未収金)に関する調査結果が

2月18日、キャリアブレインの取材で明らかになりました。昨年度(単年)と2006-08年度の

3年間の未収金の総額はそれぞれ約136億円、318億円でした。

調査は、四病協(日精協、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本病院会)に

所属する全病院に調査票を郵送し、2694病院が回答。

昨年度1年間のほか、06-08年度の3年間に累積した未収金の額などを集計した結果です。

回答した病院の病床数は平均241.9床でした。

集計結果によると、昨年度に入院費の未払いなどの未収金が発生していたのは2483病院で、

分析の対象となった2646病院の93.8%を占め、2483病院の総額は136億1000万円(前回218億

9000万円)、一病院当たりでは548万2000円で、前回04年度の715万9000円から

167万7000円減少しました。

未収金の規模は「100万円未満」の病院が34.7%で最も多く、

次いで「100万-200万円未満」が15.6%。「1000万円以上」の病院も13.0%あったようです。


医療機関が抱える未収金をめぐっては、厚生労働省の

「医療機関の未収金問題に関する検討会」が08年7月、▽医療機関による防止策の強化を促す

▽支払い能力があるのに支払わないなど悪質なケースに対しては、国保などの保険者が病院に

代わって強制徴収する「保険者徴収」を活用する-ことなどを盛り込んだ報告書を

取りまとめています。