2010年6月30日水曜日

塩分取りすぎ

塩漬け食品の取りすぎや、食事全体で塩分の多い生活習慣を続けると

各種のがんや循環器疾患(心筋梗塞、脳卒中など)を発症しやすいことが4日、

厚生労働省研究班の大規模調査で分かったようです。

がんと循環器疾患は、国民の死因の1〜3位、全体の6割近くを占めます。

胃がんなど一部の疾患では知られていましたが、塩分の取りすぎが多くの生活習慣病に

影響するとのデータが示されたのは初めてのようです。

調査は、8県に住む45〜74歳の男女約8万人を対象に実施され、対象者を、

食事全体の塩分(ナトリウム)摂取量、塩辛や漬物、イクラなど塩漬け食品の

摂取量によって、それぞれ5グループに分け、6〜9年間の調査期間中の

がん、循環器疾患の発症状況を調べました。

その結果、塩分全体の摂取量が多い群(1日当たり平均17.8グラム)は、

少ない群(同7.5グラム)に比べて循環器疾患の危険性が約2割高かったようです。

また、塩漬け食品の摂取量が多い群は、何らかのがんを発症する危険性が

11〜15%高かったそうです。

塩漬け食品の摂取量が多い群の循環器疾患の危険性は高くはなかったようですが、

魚や野菜に循環器疾患を予防する栄養素が、含まれるためとみられるようです。

2010年6月29日火曜日

病院の未収金・・・推計284億円

四病院団体協議会(四病協)が実施した医療費の未払い金(未収金)に関する調査結果が

2月18日、キャリアブレインの取材で明らかになりました。昨年度(単年)と2006-08年度の

3年間の未収金の総額はそれぞれ約136億円、318億円でした。

調査は、四病協(日精協、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本病院会)に

所属する全病院に調査票を郵送し、2694病院が回答。

昨年度1年間のほか、06-08年度の3年間に累積した未収金の額などを集計した結果です。

回答した病院の病床数は平均241.9床でした。

集計結果によると、昨年度に入院費の未払いなどの未収金が発生していたのは2483病院で、

分析の対象となった2646病院の93.8%を占め、2483病院の総額は136億1000万円(前回218億

9000万円)、一病院当たりでは548万2000円で、前回04年度の715万9000円から

167万7000円減少しました。

未収金の規模は「100万円未満」の病院が34.7%で最も多く、

次いで「100万-200万円未満」が15.6%。「1000万円以上」の病院も13.0%あったようです。


医療機関が抱える未収金をめぐっては、厚生労働省の

「医療機関の未収金問題に関する検討会」が08年7月、▽医療機関による防止策の強化を促す

▽支払い能力があるのに支払わないなど悪質なケースに対しては、国保などの保険者が病院に

代わって強制徴収する「保険者徴収」を活用する-ことなどを盛り込んだ報告書を

取りまとめています。

2010年6月26日土曜日

外来管理加算の5分ルール撤廃

2010年度診療報酬改定で厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は10日、

再診料に上乗せする外来管理加算(520円)について、

医師が診察や説明に5分以上かけるとの要件の撤廃を正式に決めたようです。

その代わり、詳細な問診抜きで従来と同じ薬を処方する「お薬受診」は

加算の対象外になるようです。

外来管理加算は、診察のほか、医師が病状や療養上の注意などを説明し、

患者の不安や疑問を解消することに対し支払われ

処置や検査を行わない場合が対象で、内科での算定が多い加算です。

2010年6月24日木曜日

大豆食品で肺がんリスク低下

肺がんの原因は不明ですが、喫煙、大気汚染、遺伝素因、肺結核、じん肺などと

肺がんは関係が深いようです。

喫煙者は非喫煙者の4〜5倍も肺がんで死亡する人が多く、1日当たりのタバコの本数が

多いほど、煙を深く吸い込むほど、フィルターなしのたばこを吸うほど、肺がんになる

可能性が大きくなります。


たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に含まれる

イソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、摂取量が少ない人の

半分以下だとの研究結果を、厚生労働省研究班がまとめ、5日公表しました。

研究班は岩手、秋田など8県に住む45〜74歳の男女約7万6千人を

平均約11年間、追跡調査し、男性481人、女性178人が肺がんになったそうです。

食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出し、

男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較したそうです。

男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が

最も多いグループ(豆腐換算で1日約203グラム)の発症率は、

最も少ないグループ(同約37グラム)の43%だったそうです。

研究班によると、肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、

女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が肺がん発症に影響するか注目され、

今回と同じようにイソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する

海外の報告があるという事です。

2010年6月21日月曜日

「患者サロン」開設へ

すべてのウイルス性肝炎感染者の支援を目的とした肝炎対策基本法の1月施行を受け、

厚生労働省は14日までに、患者同士が治療体験を語り合う「サロン」開設や

患者らをカウンセラーに育成する研修など、心理面の支援に2010年度から

乗り出すことを決めたようです。

厚労省の推計では、B型、C型肝炎患者は計約60万人おり、長期にわたる闘病や

周囲の偏見に苦悩する人も多いのが理由のようです。

患者の精神的負担の軽減を目的とした施策には、がん患者を対象に痛みを取り除いたり、

心の不安を和らげたりする緩和ケアが知られています。

厚労省によると、支援策の一つは肝炎治療の拠点となっている各都道府県の

病院への患者サロン開設。

インターフェロン治療の副作用でうつ状態となる患者も多く、治療の体験談や

日常生活のアドバイスなどを気軽に話し合える場を設けるようです。

2010年6月18日金曜日

痛くない張るワクチン

肌に張るだけで接種できるパッチ(張り薬)型ワクチンの開発を、

京都薬科大の教授らが進めているそうです。

直径約1・5センチの円形シートに、ワクチンを含む多糖類でできた

円錐形の突起(直径0・3ミリ、高さ0・5ミリ)が200〜300本並び

肌に張ると数分後に体の水分で突起が溶けてワクチンがしみだし、

皮膚から吸収されるそうです。利点の一つは、注射のように痛くないこと。

もう一つは、皮膚の浅い部分にあってワクチンに反応し全身の免疫機能を

活性化させる役目を持つ細胞に、十分な量のワクチンが素早く届くことのようです。

注射だと血流でワクチンが拡散していくのに比べ、少ない量でも免疫効果が

期待できるということです。

インフルエンザ用に同様のパッチ型ワクチンを研究しているオランダ・ライデン大の

グループは「5分の1の量で、免疫効果が得られた」と報告しています。

実用化には、メーカーと提携したうえで薬事法に基づく治験が必要になってきます。

2010年6月15日火曜日

再診料 690円で統一

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、

外来診察の基本料金である再診料を4月から見直し、中小病院と開業医の診療所は

690円で統一することで決着したようです。

中小病院を600円(患者負担は原則3割)から大幅に引き上げ、診療所を710円から下げる。

休日など時間外対応をする診療所には料金を加算できる仕組みも導入するようです。

患者から「同じ医療サービスで病院と診療所の再診料に格差があるのはおかしい」との

批判があり、中医協は昨年から再診料を統一する方向で議論を進めていました。

全国に約8800ある病院のうち、病床が200床未満の中小病院約6100が再診料の

引き上げの対象になる見込みです。

2010年6月13日日曜日

処方箋わかりやすく

医療現場では略語などの区別が明確でなかったり、新人看護師や薬剤師に

徹底されていなかったりして、量を過剰に出したり、間違った薬を投与したりするなど

医療事故の原因の一つになっていることから病院や診療所ごとにルールが違う飲み薬の

処方箋の書き方が統一されるようです。

患者自身がチェックできるぐらいわかりやすくするルールを、

厚生労働省の専門家による検討会が定め、報告書にまとめたようです。

同省はこれから、順次、現場へ広めていく方針のようです。

処方箋は医師法などに基づき、医師が薬剤師らに対してつくる文書で

薬の名前、飲み方や量を書くよう定められているのですが、具体的な基準はなく

現場任せが実情です。

同じ薬でも商品名で書く医師もいれば、その成分名を書く医師もある。

書かれた量が1日分なのか、1回分なのかわかりにくい書き方も慣例化しています。

たとえば、現在の処方箋では、朝昼晩に飲む薬で「(薬の名前)×3」なら、

毎回3錠ずつ1日計9錠になる。だが、「(薬の名前)3×」だと、

毎回1錠ずつ1日計3錠の意味になります。

報告書では、原則1回に飲む分量を明記し、完全な商品名(製剤名)で書くことにした。

「1日3回に分けて」を意味する「分3」など略語や記号は避ける。

×3の略語は1回3錠、3×は1回1錠に改められる。

飲み方も「朝昼夕食後」「就寝前」など日本語でわかりやすく書く事になるようです。

また、小児用シロップ入り飲み薬などを調剤する場合、有効成分だけを

示した原薬量なのか、シロップなどを含む製剤の全量なのか明確な決まりはないが、

今後は原薬量か全量かきちんと明記する事となるようです。

2010年6月9日水曜日

カルテ開示の手数料

患者や家族からカルテなど診療記録の開示を求められた際、

病院側が徴収する手数料には、施設によって大きな差があることがわかり

患者が利用しやすい範囲に抑えるべきとの指摘が出ているようです。

調査は、読売新聞が2009年11〜12月、全国の大学病院と

地域医療支援病院352施設に文書でアンケートした結果です。

186施設(回答率53%)から回答があったそうです。

診療記録には、カルテのほか手術記録や処方せんなどがあり、

受けた処置や薬など診療の中身がわかり、2005年4月の個人情報保護法施行で、

開示は法的義務になりました。ただし、費用は病院任せ。

今回の調査では、3割の施設が手数料を徴収しており、

無料から1万円まで差があったそうです。

2010年6月6日日曜日

診療報酬改定案

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は12日、

2010年度診療報酬改定案をまとめ、長妻昭厚労相に答申しました。

入院医療に4400億円を上積みし、勤務医の待遇改善や、

病院再診料の引き上げによる診療所(開業医)との一本化など、病院重視を打ち出しました。

4月から実施する予定です。

今回は「医療再生」を掲げた民主党政権下で初の改定・・・。

改定率は0・19%増で10年ぶりのプラス。これで確保した財源約5700億円の

8割近くを救急や産科、小児科、外科など急性期の入院医療に手厚く配分。

過重労働の病院勤務医に配慮し、医師の事務を補助する「医療クラーク」の

報酬加算を引き上げ。労働環境の整備を要件とした加算も拡大したようです。

2回目以降の外来受診にかかる再診料は690円と、26年ぶりに一本化。

診療所は710円から20円減、中小病院(病床数200未満)は600円から90円増。

歯科の初診料は360円上がり2180円、再診料は20円上がり420円に。

24時間態勢で患者の電話相談に対応する診療所への加算を新設。

厚労省は約10万ある診療所の約3割が対象とみています。

2010年6月3日木曜日

しもやけ・・・皮膚トラブル

1〜2月にかけて、一気に増加する皮膚トラブルの一つがしもやけです。

しもやけは寒冷・加温刺激の繰り返しによって局所の循環障害が誘発され、

皮膚が赤くなったり、腫れたり、あるいは紅斑ができる疾患。

一般的なしもやけは、指先が赤紫色で樽柿のように腫れるT型と呼ばれるようです。

一方、紅斑を主とする紅斑型(M型)と呼ばれるしもやけは、腫れずに赤みが強くなるだけ

なので、しもやけとは気づかず放置し、重症化してしまうケースがあるそうです。

また、前日との温度差が激しければ激しいほど、血管の収縮回数が増え、血行が悪くなり、

しもやけが起こりやすくなるという事です。

先生によると、手や足、末端の血流を良くしておくことが大切とのこと。

クリームを塗る場合は、血行改善効果のあるビタミンE入りのものに効果が期待でき

また、昼間にこまめにクリームを塗ることが難しい場合は、夜の就寝前に集中的にケア。

肌を濡れた状態で放置しておくと、皮膚の温度が低下してしもやけが起こりやすくなり

運動や暖かい室内で汗をかいた場合はこまめに汗をふきとることが望ましく

温度調整しやすい服装を心がけ、帰宅後は指先や足先をマッサージするなど、

徐々に体を温めてからお風呂に入ったり、ストーブにあたったりするとよいそうです。

2010年6月2日水曜日

病院の未収金・・・推計284億円

四病院団体協議会(四病協)が実施した医療費の未払い金(未収金)に関する調査結果が

2月18日、キャリアブレインの取材で明らかになりました。昨年度(単年)と2006-08年度の

3年間の未収金の総額はそれぞれ約136億円、318億円でした。

調査は、四病協(日精協、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本病院会)に

所属する全病院に調査票を郵送し、2694病院が回答。

昨年度1年間のほか、06-08年度の3年間に累積した未収金の額などを集計した結果です。

回答した病院の病床数は平均241.9床でした。

集計結果によると、昨年度に入院費の未払いなどの未収金が発生していたのは2483病院で、

分析の対象となった2646病院の93.8%を占め、2483病院の総額は136億1000万円(前回218億

9000万円)、一病院当たりでは548万2000円で、前回04年度の715万9000円から

167万7000円減少しました。

未収金の規模は「100万円未満」の病院が34.7%で最も多く、

次いで「100万-200万円未満」が15.6%。「1000万円以上」の病院も13.0%あったようです。


医療機関が抱える未収金をめぐっては、厚生労働省の

「医療機関の未収金問題に関する検討会」が08年7月、▽医療機関による防止策の強化を促す

▽支払い能力があるのに支払わないなど悪質なケースに対しては、国保などの保険者が病院に

代わって強制徴収する「保険者徴収」を活用する-ことなどを盛り込んだ報告書を

取りまとめています。