医療現場では略語などの区別が明確でなかったり、新人看護師や薬剤師に
徹底されていなかったりして、量を過剰に出したり、間違った薬を投与したりするなど
医療事故の原因の一つになっていることから病院や診療所ごとにルールが違う飲み薬の
処方箋の書き方が統一されるようです。
患者自身がチェックできるぐらいわかりやすくするルールを、
厚生労働省の専門家による検討会が定め、報告書にまとめたようです。
同省はこれから、順次、現場へ広めていく方針のようです。
処方箋は医師法などに基づき、医師が薬剤師らに対してつくる文書で
薬の名前、飲み方や量を書くよう定められているのですが、具体的な基準はなく
現場任せが実情です。
同じ薬でも商品名で書く医師もいれば、その成分名を書く医師もある。
書かれた量が1日分なのか、1回分なのかわかりにくい書き方も慣例化しています。
たとえば、現在の処方箋では、朝昼晩に飲む薬で「(薬の名前)×3」なら、
毎回3錠ずつ1日計9錠になる。だが、「(薬の名前)3×」だと、
毎回1錠ずつ1日計3錠の意味になります。
報告書では、原則1回に飲む分量を明記し、完全な商品名(製剤名)で書くことにした。
「1日3回に分けて」を意味する「分3」など略語や記号は避ける。
×3の略語は1回3錠、3×は1回1錠に改められる。
飲み方も「朝昼夕食後」「就寝前」など日本語でわかりやすく書く事になるようです。
また、小児用シロップ入り飲み薬などを調剤する場合、有効成分だけを
示した原薬量なのか、シロップなどを含む製剤の全量なのか明確な決まりはないが、
今後は原薬量か全量かきちんと明記する事となるようです。